主な症状
一言で言えば、耳の入り口から鼓膜までのいわゆる耳の穴に起こる炎症です。 主に細菌感染ですが、原因の大半は、「耳かき」をしすぎることによる「すり傷」から細菌が侵入し、感染を起こすものです。
原因と治療法
結局初期の症状はかゆみであるため、
かゆいから掻く ↓ 掻くからかゆい ↓ かゆいからまた掻く ↓ そのうちに痛くなる、あるいは耳垂れが出てくる
という悪循環で最終的に耳鼻咽喉科に来られるのです。 私はいつでも「かゆい間に来てください」とお話するのですが(かゆい間であればすぐ治るのです。)膿汁(ウミ)がでるほど悪化してからですと治療に難儀する場合があります。
治療としては、耳垂れが出ている場合は耳の耳浴(耳の洗浄)や、酢酸アルミニウムの水溶液による洗浄を行なう場合もあります。
長い間、耳掻きを使っている人ほど、外耳道の抵抗力が落ちているために治りが悪く、再発しやすくなります。耳掻きはお勧めできません。
膿汁が脳に行く悪性外耳道炎や、肉芽腫性鼓膜炎(にくげしゅせいこまくえん)と呼ばれる鼓膜にまで炎症がいく恐ろしい病気に繋がる可能性もありますので、(もちろん極めて稀ではありますが・・)、外耳炎だからといって馬鹿にはできないのです。
外耳道炎に関連する病気
外耳道真珠腫【外耳道真珠腫】
赤くえぐれている部分は外耳道の骨を破壊しながら発育していた真珠種を除去した後の骨の欠損部です。外耳道真珠種(外耳道炎の炎症がさらに進み、耳垢が異常に増えて骨を破壊されている状態)は、耳掻き等の刺激で発生することも多いので注意が必要です。このようになるまでほとんど症状がないのもやっかいです。骨破壊をこれ以上進行させないためには、定期的な除去が必要です。
外耳道骨部変形【外耳道骨部変形】
右の写真は本来、正常な外耳道(耳の穴)は赤の点線の部分であるにも関わらず、過剰に耳掻きを行ったことにより、外耳道の骨部が変形し、矢印のように、外耳道を塞ぎ始めています。こうなると、聴力の低下などが起こってしまいます。
外耳道真菌症(カビ)【外耳道真菌症(カビ)】
こちらの写真は外耳道(耳の穴)の途中にカビが生えてしまった病気です。こちらは耳掻きの際の引っかき傷に感染してしまったケースです。耳の痛みやかゆみが起こり、なおかつ外耳道を塞いでしまいます。